私は今年5年目となる、戸塚さん宅倉庫で展示をさせていただきました。
「土地の衣服の織物」と題して
これまで鹿児島、別府、佐賀、遠州横須賀に住んでいる人々の衣服を集めて織物を作った作品をそれぞれ展示しました。
織物になる前の衣服の最後の肖像写真
織物になった衣服についていたタグ
織物になった衣服についていたボタン
白色だけ抽出
今年は新作ではなくここ2年程の間に各地で制作した作品と、昨年この文化展で訪れた方と一緒に作った作品を展示した。
正直言って新作を持って来れなかったことを悔いていたのだけれど、
最終日の最後の最後に見てくれたおば様お二人が、「この織物が、喜んでる感じがするね」って言ってくれて、さらに「この織物の中に入っている、服を着ていた人も、ここまで連れてきてもらえて、たくさんの人に見てもらえて、喜んでいるんじゃないかな、もしかしたら中には、鹿児島や大分から、出たことのなかった人もいるんじゃないかな」と言ってくれた。
その時ちょうど、17時を知らせる音があたりに響いた。
私もおば様二人も、なんだか目に涙が浮かんでいた。
私はこの言葉を聞いて、ああそうか、と、今回の展示にはそういう意味があったんだ、と知った。
おば様の背後から、三熊野神社の神様が言ってくれたような、気がした。
この作品を持って来て、よかったんだ、とその時思えた。
ちょうど織物のある位置から、三熊野神社が見えるのです
来年の展示の構想も浮かんだ。
昨年遠州横須賀で集めた衣服で、まだ作品化できていない着物がある。
その衣服を使ったこの倉庫での作品のビジョンが見えた。
ビジョンが見えた時は大概うまくいくから、来年はいい作品が展示できると思います。
その作品の構想の話を、友人の展示場で遠州横須賀のキーパーソン・深谷さんにしていたら、さらに話が深まり、制作の段階で新たな展開が生まれそう。
とても楽しみです。
何はともあれ、10数年も呼んでくださっている遠州横須賀倶楽部の皆様、5年間続けて倉庫部分を展示の為に3日間貸してくださった戸塚さんに、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。