2013/02/22

吹上町護国神社を編む

吹上町の戦没者1219名を祀った神社に、吹上に住んでいる人々から集めた、シーツやカーテン、ワイシャツなどの白い布を切り、この場で編みこんでいきました。

布を巡らせた空間は、四方を戦没者の方のお名前・没日・没地を書いた文字が並んでいます。
奧の、お社の前には吹上浜から拾ってきた「オトッケ」を並べました。
人々の思いを、願いを、受けるもの、容れるものとして、白い貝を並べたかった

この神社に祀られている人々は、今吹上に生きている人々の、いわば先祖にあたるわけで
生活を含んだ白い布を、お名前が並んだ四方からつるし、編んでいきました

時々、お父さんや、おじいさん、ひいおじいさんのお名前が載っている、という人が来られました
ご遺族の方が、この作品をどう思われるか心配していたのですが、きっとご先祖様も喜んでいると思います、と言ってくださって、安心した
結果的に、この神社を訪れる人が増え、手を合わせる人が増えたのは、よかったと思いました。


見てくれた方に、様々な感想をいただきました。
自分でも気づかなかったことを、見た方が私に教えてくれました。
切った布が、御幣のようですね、と言われて、まさしく、シャツなどを切った布が、同じような形になっていて、おどろいた
並べた白い貝を見て、戦没者の魂みたい、と言った人もいました
ここは神様がいるとこなんだよ、と説明をするお父さんに、「死んだ人」とつぶやいた小さな男の子もいた。(鬼太郎のお墓みたい、とも言われた)

間に介在している私自身よりも、作品を見た人のほうがわかっている、ということがよくある。
だから手足としての私は得たインスピレーションに抗わず、ただそれを自分の身体を使ってかたちにするということに従事したい、
と今回あらためて思った