2014/05/08

船木神社 まとめ

吹上町の船木神社で制作した作品「ワタル」の写真をようやくホームページにまとめました。
ぜひともごらんください!!

あらためて写真を見返してみて、美しい時間と光だった
午前10時くらいに入る光と夕方18時半くらいに正面から入る光の道




「ワタル」というタイトルは、船というものが昔の人にとってどういうものだったのだろうと思い、吹上浜を眺めていたときに、ふと浮かんだ言葉
電車も車も飛行機もなかった時代、ここではない場所へ行くには、海を渡るしかなかった、その手段として船があった。今ここと、未知の世界をつなぐ役割りを持つものだったのではないだろうか、と思った
後日調べたら、海の古語は「ワタ」だと知った 


そういったいきさつで「ワタル」というタイトルをつけたのだけれど、会期が始まって作品を見に来た地元の人が、普段しているようにお社の前で手をあわせるために、この作品の間を泳ぐように通っていく様子が、まさしく「ワタル」であり、その光景を見て、そうか神社も、こちらとあちらの、境目にあるもので、その存在は今回感じた船の役割と近いのかもしれないと思った。


砂で作った山のこと。
海水を使うことにしたとき、砂のヤマのイメージがでてきた。
この砂の山を見た何人かの方が「桜島」とおっしゃった。やはり鹿児島の人にとって、山イコール桜島なんだな。
また、「島々」とおっしゃった方もいた。そうすると視点がこれまでと入れ替わって不思議
桜島は山が海に浮かんでいるような形だから、島であり山であるように見えるというのは鹿児島の人独特の感覚なのかもしれない。
はからずも、今秋富士山周辺で行われるアートプロジェクトに参加することになったので、「ヤマ」ということをうまく引継いでいきたい
桜島と富士山はどこか似た要素がある気がしている。


木下賢也さんが演奏してくれた。とてもよかった。ありがたかったです。

この作品をつくるにあたり、船木神社の氏子代表の三角浩三さんと奥様に、ほんとうにお世話になりました。心から感謝いたします。ありがとうございました。